干物おいしい焼き方は?干物屋がプロのコツ教えます!
今回は、干物の美味しい焼き方について、干物のプロである干物屋の女将がコツをお教えいたします。
グリル、フライパンなど干物を焼くときによく使う調理器具2つのほか、お急ぎの時にも便利な電子レンジでの干物の焼き方もご紹介。
魚の旨味がギュッと凝縮された干物は、焼くだけでおいしいだけでなく魚の栄養も摂取できる超便利食材です。
でも、焼くだけとはいえ、うっかり焼き過ぎてしまったり、皮や身が調理器具にくっついてボロボロになってしまったり……そんな経験はありませんか?
皮や身がくっついてしまうと、見栄えが悪くなるだけでなく、洗い物も面倒ですよね。
皆様にもっと気軽に干物を召し上がってほしいので、プロの焼き方を伝授いたします。
コツを押さえれば、誰でも簡単に見た目もキレイなおいしい干物が焼けちゃいますよ♪
目次
干物の焼き方を調理器具別にご紹介!
干物の一番おいしい焼き方は、炭火。
【強火の遠火】と言われています。
でも、食事のたびに炭をおこすなんて一般家庭には至難の業ですよね。
(でも、バーベキューなどで炭で火をおこす機会があったら、大きなほっけを焼いてみるなど一度試してみてくださいね。おすすめです、ハマります!)
今回は一般家庭の食卓の準備でも手軽な代表的な調理器具3つを中心に、焼き方のコツをご紹介いたします。
干物の焼き方・グリルの場合
「干物を焼く」という時に一番思い浮かぶのが、魚焼きグリルなのではないでしょうか?
大人数のご家庭など、一度に何匹も魚を焼けるのでとっても便利です。
でも、網に皮がくっついたり、受け皿が脂でギトギトになったりと、後片付けが面倒だと感じることも。
そんな面倒な後片付けが、ちょっとしたコツでラクチンになります!
ポイントは3つ。
●【網に油or酢を塗る】
焼く前に、網に油、もしくは酢を塗っておくと一夜干しの皮や身がくっつきにくくなり、グリルの掃除がしやすくなります。
●【グリルの受け皿に水をいれる】
温度の上昇のしすぎや発火を防ぐため、グリルの受け皿に水を入れておきましょう。(水不要のグリルの場合、入れる必要はありません)
●【グリルを温めておく】
一夜干しを入れる前に、グリルを温めておきましょう。5分ほど温めておけばOKです。
この3つのポイントを守るだけで、後片付けがグッと楽になります。
焼き時間や、スルンと油汚れが取れる裏技など、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
動画でも説明していますので、文字で分かりにくい場合はぜひそちらもご覧ください。
干物の焼き方・フライパンの場合
昼食で一人分だけ焼きたかったり、焼きたいのがメギスやハタハタなど小さいお魚だったり。
そんな時、グリルだと大げさで、大きな洗い物を増やしたくないなーと思うことってありませんか?
それに一人暮らしだとグリルがついていないタイプのコンロだったりもありますよね。
そんな時に便利なのがフライパンです!
フライパンで干物を焼くときのポイントは2つ。
●【フライパンを温めておく】
一夜干しを置く前に、フライパンをよく温めておきましょう。
●【クッキングシートを用意する】
皮や身がフライパンにくっつかないようにクッキングシート、もしくはフライパン用のアルミホイルを用意します。
フライパンのサイズに合わせてカットしておきましょう。
この2つのポイントさえ押さえておけば、フライパン洗いはスポンジでさっと表面をなでる程度でOK。
もしフライパンにちょうど合うサイズの蓋があれば、蓋をして焼くと臭いも抑えられる上に蒸し焼き効果でふっくらと焼き上げることが出来ます。
(蓋がない時は、アルミホイルで包み焼きにするのもおすすめです!)
詳しい焼き時間やひっくり返すタイミング等は、こちらの記事をご覧ください。
動画もあるので、ぜひ参考にしてくださいね!
干物の焼き方・電子レンジの場合
そして、みなさまにぜひご紹介したい裏技的な干物の焼き方があります。
それが、電子レンジ!!!!!
以前、スタッフがテレビで見かけたレシピなのですが、これが本当に便利で画期的!
準備するものは、1つ!
●クッキングシート!
基本的にこれだけです。
魚の大きさによって焼き時間が大きく変わるため、時間調節が難しい裏技ではありますが、朝食などお急ぎの時に役立つので知っておいて損はない干物の焼き方です。
ぜひいざという時に役立ててみてくださいね!
詳しい調理方法は、こちらの記事を参考にしてください。
動画もあります。
干物の焼き方のコツ・疑問にプロがお答えします!
干物を焼くときの疑問に、干物屋の女将であるプロの私がお答えいたします!
今回は特に、個人的なお友達からも聞かれることが多い2つの疑問についてお答えいたします。
干物の焼き方・冷凍は解凍するしない?
スーパーなどでは冷蔵で干物が売られていることも多いですが、最近では当店のネット通販のような冷凍の干物も見かけることは少なくありません。
冷凍の干物は日持ちも長いので、冷凍庫にストックしておくという方も多いのではないでしょうか?
さて、そんな冷凍の干物は、必ず解凍してから焼かなければならないのものなのでしょうか?
それともカチンコチンのまま焼いても大丈夫なのでしょうか?
プロ的に言うと……ズバリ、凍ったまま焼いても問題ありません!
冷凍のまま焼いても、ちゃんとおいしくふっくら焼きあげられます。
焼きムラができないよう、火加減を弱めにしてじっくり焼くのを心がけてみてくださいね。
実は、冷凍干物はうまく解凍できないとかえってドリップ(旨味成分)が流出してしまう原因にもなります。
冷凍のままなら、食べたいときに冷凍庫から取り出してすぐに調理できるのでラクチンです!
ただし、巨大なホッケなど身の厚いものを焼く場合や短時間で焼き上げたい場合、揚げ物にする場合は、冷蔵庫で解凍しておいてください。
3~4時間くらいでほどよい解凍状態になります。
干物の焼き方・皮から身からどっちから焼く?
さて、片面焼きグリルや、フライパンなどで干物を焼く場合、どちらの面から焼くのが正解でしょうか?
皮から? それとも身から?
これも人からよく聞かれる質問の一つです。
ちなみに昔から、魚を焼くときは「海は身から、川は皮から焼く」と言われているそうです。
これについて詳しく調べてみたところ、面白い説があることが判明しました。
魚は焼くときに皮が縮みやすく、皮から焼くと見栄えが悪くなってしまいます。
海の魚は切り身や開きになっていることが多く、身から焼くことが出来るので「身から焼く」と言われているのではないか、と。
一方、川の魚はそもそも丸の姿のまま焼くことが多いので、「川は皮から」になっている、と。
いろいろな料理研究家さんやシェフの方の意見を読んでみましたが、味には大きな違いはなく一番は【見栄え】だそうで、お皿に盛るとき上になる面(見える面)から先に焼くのがいいという意見が大半でした。
確かに、フライパンなどひっくり返しながら焼く場合は、先に焼いた面の油や焦げが表面にくっついて、見栄えをきれいにするのは難しいですもんね!
……なるほど!
そして、これはあくまで私個人の好みですが、私は皮から焼くのが好きです!
皮がパリッと香ばしく仕上がる感じが好きです!
(同様に海の魚・皮の魚に限らず、皮から焼くのを薦めている料理研究家さんもいました。同じ意見で嬉しい♪)
川の魚は、海の魚に比べて匂いが強いともいわれますので、もしかすると「川は皮から」というのは皮を先に焼いたほうが匂いが和らぐ、という意味なのかもしれないなーと個人的には感じています。
ですので、干物屋の女将というプロとしての意見というよりは、一人の主婦としての個人的な結論ですが、
●お客様に出す場合など見栄えを気にするときは、お皿に盛るときに上になる面から焼く。
●皮はフライパンやグリル網などの調理器具にくっつきやすいので、洗い物を楽にしたいなら、身を下にして焼く。
●おいしく好みの味で食べたいなら、どっちが好きか食べ比べしてみて好みの焼き方を見つける。
以上です!
プロとして1つの意見を出せたらよかったのですが、いろんな状況や時と場合があると思うので、参考にしていただければ幸いです。
まとめ
今回は、干物の美味しい焼き方について、干物のプロである干物屋の女将がコツをご紹介いたしました。
グリルやフライパンだけでなく、電子レンジで干物を焼く方法も知っておいて損ではないので、ぜひいざという時に役立ててみてください!
食の欧米化が進みお肉中心の食卓になりがちともいわれていますが、近年少しずつお魚の良さが見つめなおされています。
でも……
「お魚の調理方法や食べ方が分からない」
「お魚料理は難しい」
そんなお悩みをお持ちの方も少なくありません。
でも、干物なら、下処理も済んでいるから焼くだけでおいしいお魚が手軽に食べられます!
プロの美味しい焼き方のコツを参考にしながら、ぜひお魚の奥深さをより知ってもらえたら嬉しいです!