福井の鯖の一本焼きがうまい!半夏生に浜焼き鯖を食べる由来なぜ?
福井の海岸沿いをドライブしていると、どこからかいい香りが……♪
立派な鯖を一本焼きにした浜焼きさばを並べているお店があちこちに見られたりします。
渓流アユを串焼きにするごとく、あの大きな鯖に串が打たれて炭火で炙られているさまはまさに豪快です!
福井では節分で太巻きを食べたり、ひな祭りの定番が桜餅だったりするように、実は決まってそんな一本焼きのサバを食べる日があります。
それが半夏生(はんげしょう)です。
「はげっしょさば」とも呼ばれ、半夏生の当日には福井の魚屋さんやスーパーに丸焼きの鯖がずらりと並びます。
今回は、福井の鯖の一本焼きとはどんなものなのか。
なぜ福井では半夏生の日に丸焼きさばを食べるようになったのか由来をご紹介いたします。
目次
福井の鯖の一本焼き(はげっしょさば)がうまい!
海の幸に恵まれている福井県ですが、その中でも鯖は昔から特に庶民に愛されてきた馴染み深いお魚の一つです。
暑い夏の福井で皆様に味わっていただきたいのが『浜焼きさば』です!
この浜焼きさばは、普段目にするような切り身の焼き鯖とは全く違います!
まるでアユを串焼きにするように、サバに太い竹串を突き刺して姿一本を丸焼きにします。
かなりインパクトのある豪快な見た目です。
これが脂が滴ってくるほどジューシー!
不思議なことに、切り身のサバとは格段に脂のりが違って感じられるのです。
福井では、この一本焼きの鯖を半夏生の日に食べる風習があり、『半夏生鯖』が訛って『はげっしょさば』と呼ぶこともあります。
夏の土用の丑の日にあちこちでウナギが並ぶのと同じように、福井の半夏生の日はズラリとこの丸ごとの浜焼きさばが店を埋め尽くします。
福井の鯖の一本焼きはどこで食べられる?
半夏生近くになると、福井県の各地で鯖の一本焼きがお目見えします。
最近では半夏生の日に限らず夏の風物詩になりつつありますので、県内の浜近くや、特に古くからサバ漁が盛んだった若狭地方では、あちこちでサバを焼くいい匂いと煙が見かけられます。
福井にご旅行の際は、ぜひ浜焼きさばも味わってみてくださいね。
また、一時期、空弁としても人気を博した焼き鯖寿司なら、福井のお土産屋さんで買うことが出来ます。
焼き鯖のおいしさを手軽にお持ち帰りすることが出来ますよ♪
また当店でも浜焼きさばのご用意があります。
手軽にお取り寄せできますので、気になった方はぜひチェックしてみてください!
福井県と鯖の関係
福井県は若狭湾に面し、古くは京の都へ海の幸を献上する御食つ国(みけつくに)の一つでした。
特に多かったのがサバだったといわれ、若狭湾と京都を結び海産物を運んでいた道は、現代でも「鯖街道」と呼ばれて親しまれています。
残念ながら現在ではサバの漁獲量は減ってしまっていますが、足が速いといわれるサバを保存食にした郷土料理『さばへしこ』など、今でも福井には多くのサバ料理が郷土食として息づいています。
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福井の半夏生で浜焼き鯖を食べる由来なぜ?
福井では、半夏生の日に丸焼きにしたサバを食べる風習があります。
どうしてサバなのでしょうか?
その由来は江戸時代にまでさかのぼります。
近年、「天空の城」として全国的にも話題になっている大野城――その越前大野城のある大野藩の殿様が、田植えなどで疲れた農民の労をねぎらい、夏バテ防止に脂がのったサバを食べるよう奨励したことが始まりとされています。
福井に詳しい方なら、「あれ?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
大野といえば福井県でも山の中、サバが獲れそうなところなどありません。
実は、越前海岸の大樟・小樟が大野藩の飛び領地で、そこでサバがよく獲れたそうです。
そして、当店の加工場はまさに小樟漁港。
この海から、奥越・大野へサバが送られていたのですね!
現代でも続いている大野と越前町の交流
余談にはなりますが、私は越前町小樟にある四ケ浦小学校出身です。
この大野藩のご縁がもとになり、四ケ浦小学校と、大野の有終西小学校は今でも交流があります。
夏は大野から越前町へ海水浴に、冬は越前町から大野へスキーに行きます。
昨今は、コロナの影響で例年通りのイベントが出来なかった代わりに、両校の親同士がzoom飲み会をしたりもしたみたいです(地元の友人談)
半夏生とは何?2024年の半夏生はいつ?
さて、今更ですが『半夏生』とはいったい何でしょうか?
半夏生とは雑節と呼ばれる暦の一つで、毎年7月2日頃にあたります(Wikipediaによると、「天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日」なのだとか)。
この日から七夕までの5日間は仕事をお休みする地方もあるらしく、日頃の疲れた体を癒す期間といわれています。
そのため、農家ではこの日までに田植えや畑仕事を終わらせる節目となっているそうです。
さて、2024年の半夏生は……7月1日です。
福井では鯖を食べる日として知られていますが、実は福井以外でも全国各地で半夏生の日には体を労わる食べ物が食べられています。
全国各地の半夏生
最近は関東でも半夏生の日にスーパーにはタコが並ぶ光景が見られるそうですが、実はもともとは関西の風習。
稲が(タコの足のように)八方へしっかりと根付くように、という願いが込められています。
またうどん県の香川では、やはりうどんが食べられているそうです。
その年に収穫した麦から作ったうどんを、農作業を手伝ってくれた人へふるまったことがもともとの由来だそうです。
他には、半夏生餅という小麦ともち米を混ぜたお餅を食べたり、芋汁を食べたり、各地で様々なものが食べられています。
まとめ
梅雨が明けはじめ、徐々に暑さが本格化してくるのが、この半夏生の時期です。
脂のりたっぷりのサバを食べて、夏の暑さを乗り切りましょう!
「福井県外では丸焼きのサバを見付けるのは難しい」
「でも、福井は遠くてなかなか足を運ぶことが出来ない」
そんな方にはこちらがおすすめです。
福井から県外へ引っ越された方への贈り物として喜ばれています。
「なんでか切り身のサバと違う――そう、食べたかったのは、このジュワジュワ脂がのってるサバなの!」
と評判です。
実は、福井には半夏生のほかに、年明けに焼きガレイを食べる天神講の風習があったりします。
一風変わった福井のお魚の風習。
ご興味がある方は、ぜひこちらもご覧になってくださいねっ!